教えて!みんなのアルバイト事情「学業優先は当たり前!両立できる条件のバイトを選ぼう」

兵庫県大生の「くわしく教えて」に答える『県大Tips』。今回のテーマはアルバイトです。

みなさんは、アルバイトをしていますか?勉強や部活に忙しい日々のなかで、条件に合うバイト先を見つけ、学業と両立させることは大変な側面もあると思います。一方で、そこでしか得られない出会いや体験があり、就職活動や社会人への第一歩としての学びがあるのではないでしょうか。そこで今回は、兵庫県立大学生協学生委員会の有志のみなさんに、バイト選びのポイントやそこで得られた経験についてお聞きしました。

ゲスト:木下竜誠さん(理学部4年生)、西崎日菜子さん(工学部3年生)、野本康平さん(理学部3年生)、嶺拓真さん(環境人間学部3年生) /  聞き手:1460編集部

シフトの組みやすさは学業と両立させる必須ポイント

編集部:さっそくですが、みなさんは今、どんなバイトをしていますか?

嶺:僕はスーパーの品出しのバイトをしています。県立大の友人の紹介で入ったんです。というのも、バイト先に知り合いがいれば、仕事内容やシフトの組み方が事前にわかるし、バイトを始めてからも会話がはずんだりして働きやすいので。

西崎:私はデパ地下のお惣菜屋さんと居酒屋などでバイトをしてきました。授業やその他の予定によって、働きたい時間がバラバラなので、シフトの融通がきいて、1週間の勤務日数も2〜3日でいいところを探しました。

木下:シフトといえば、曜日固定だと融通が利きづらいですよね。僕は週に4〜5回、フランチャイズの飲食店のキッチンで働いているんですが、1週間単位でシフトが出せるところを選びました。

編集部:たしかに、勉強や部活と両立させようと思ったら、シフトの組みやすさは重要なポイントですね。

学校や自宅からの距離も大事!

野本:小・中学校時代に水泳をしていた経験を活かして、スイミングスクールでコーチをしています。中学生の時、毎日コーチに指導をしてもらっているうちに、いつか自分でメニューを作って指導してみたいと思うようになったんです。

編集部:理学部だと研究室に行く頻度も高いと思うのですが、木下さんはどのように時間をやりくりしているのでしょうか?

木下:研究室はだいたい午後に始まって17時くらいで終わるので、朝から昼の間や研究室がない時は朝から夕方まで勉強しています。それから18時くらいからバイトに行くことが多いですね。あと、播磨理学キャンパスからは、どこへ行くにも車が必要な立地なので、なるべく近くでバイトを探しました。

編集部:バイト先や自宅との距離は重要なポイントになりそうですね。

野本:僕の場合は播磨理学キャンパスからバイト先まで車で50分くらいかかりますが、そこでしかできないやりがいのある仕事で、週2回ほど通っています。近くにアルバイトができるところが少ないので、車で20〜30分ほどかけて通勤している人が多いように思います。

西崎:私も通いやすさ重視で選んでいます。自宅や最寄り駅から近いところがいいですね。

生活リズムにあわせて。将来のために。目的は人それぞれ

編集部:シフト、立地など、バイト選びには、学業とバランスをとるための条件も人それぞれですね。

木下:バイトが忙しくて単位を落とすようなことになったら元も子もないので、僕はなるべく効率を優先したい派。職種、バイト先までの距離、出勤日数も自分のキャパに合ったところを選ぶようにしています。シフトも含めて、自分の生活リズムに合ったバイト先を選ぶのが大事だと思います。一方で、野本くんは、バイトをする目的がはっきりしているよね。

野本:バイトを単なるお金を稼ぐ手段にするのはもったいないという気持ちがあって。水泳のコーチに興味があってバイトをしてみて、やはりやってみないとわからないことばかりで充実しています。バイトをしたからこそ得られる知識や経験がありますね。もしも身につけたいことがあるのなら、それを軸にバイト選びをするのも一つの方法だと思います。

世代も立場も超えて。アルバイトが社会との接点に

編集部:大学ではあまり接する機会のない人たちとの接点もあると思います。人との関係や仕事をするなかで吸収したり、学んだと感じることはありますか?

野本:スイミングスクールでは、スタッフはもちろん、幼児から80代の高齢者までさまざまな人たちが来られるので、いろんな世代の方々とお話する機会が多いです。また、スタッフ間のやりとりでの気づきもあって。バイトを終えて帰るときに、いつも社員のコーチが「お疲れ様」の後に、「ありがとう」も言ってくれるんですよね。なんだかそれがすごく嬉しくて、それ以来、人に対して意識して「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えるようになりました。

西崎:以前、ホテルの配膳のバイトをしていた頃は、働いている年代も立場も自分とは異なるタイプの人ばかりで、自分の知らない生き方を学ぶ機会になりました。私の場合は、周りも高校を卒業して大学に入るというのが当たり前の世界で生きてきたので、自分が普通だと思っていたことがすべてではないんだなと実感しました。

木下:大きめのキッチンでやるべき仕事が多いため、作業効率が上がるようにとにかくムダのない動きを心がけています。あと、わからないことはその都度聞くこと!これはバイト先での大きな学びです。聞き直すと叱られるんじゃないかと思うかもしれないけれど、確信がないまま仕事を進めてしまうと失敗に繋がってしまう場合があるし、言ってくれたらフォローできることもあります。バイト先で後輩ができて実感しましたね。バイトを始めたばかりで人間関係が構築できていない時期は、質問しづらいと思いますが、勇気を持って質問することがお互いのためにいいかなって思います。

西崎:デパ地下でのバイトは、デパートいうこともありマニュアルがしっかりしているので、丁寧な言葉づかいや対応を学ぶことができています。最初は普段とは違う対応に慣れなくて難しいと思っていたけれど、周りの先輩などの接客を取り入れながら、徐々に丁寧な接客ができるようになってきました。

嶺:僕の場合は品出しとお客様の全般的な対応が主な仕事で、レジとは完全に分業しているので、担当領域以外のことはすぐに担当者につなぐようにしています。担当していないことはその担当者に任せることも大事なことだと実感しています。

あれ?と思ったら、周りの人に相談してみよう

編集部:これまでバイトをしてきて、困ったことやトラブルはありましたか?

木下:1年生の時に、ビアガーデンと居酒屋でバイトをしたことがあるのですが、一緒に働いている人たちとちょっと空気感が違うなぁということがありました。あと、店長の言い方がきつかったりして、パワハラとまではいかないのですが、人との関係においてモヤモヤしたことはあります。

西崎:私は応募要項に書かれていることと実際の内容が違ったことがありました。交通費が出ると書いてあったのに出なくて。

木下:僕も同じような経験があります!時給1000円と聞いていたのに、蓋を開けてみたら最低賃金だったという…。求人情報に書かれている内容と違っていたので交渉をして改善してもらいました。「あれ?」と思ったらちゃんと話すことは大事。ちなみに要望を聞き入れてもらえないケースもあって、そこは早めに辞めました。

嶺:条件も含めて、どうしても合わない時は辞めるという選択肢はありですよね。無理のない範囲で続けるべき。

西崎:ホテルの配膳のバイトをしていた時に、スタッフから予定が空いていないかと何度も電話がかかってきて困ったことがありました。あと、居酒屋の前で酔っ払ったお客さんに待ちぶせされたことがあって…。オーナーが発見して、逆方向から帰るように気を利かせてくれてことなきを得ました。私の場合は周りの大人がちゃんと対処してくれる人たちだったので、安心感がありました。困った時に助けてもらえる体制があるのかどうかは大事なポイントだと思います。

バイト先での出会いや経験が自身の成長のチャンスに

編集部:最後に、後輩へメッセージをお願いします。

嶺:お客様や先輩との関わりのなかで、言葉遣いやマナーを学べる部分があるので、何かしらバイトを経験するのはいいことだと思います。僕は部活やサークルにたくさん所属していて、勉強に加えて学校行事の用事が多いんです。でも、同じ大学生がいるバイト先なら、学生に対してわりと理解があって授業や行事のスケジュールを考慮してくれますよ。

野本:アルバイト中に嫌なお客さんがきてモヤモヤすることとかもあると思うんですが、自分がお客さんの立場になったときに同じように発言しないようにしようとか、逆に嬉しかったことは取り入れてみようとか。バイトでの経験を日常生活に繋げて、思いやりのある人になれたら素敵だなって思います。

西崎:色んな人に出会えて、大学では話せないような人たちと触れることで、価値観が変わったと感じる時があります。だから、自分の小さい世界にとどまらず、大きな社会の中で視野を広げるのは、自分を成長させるチャンスだと思います。ちなみに私の場合、居酒屋のオーナーがとてもポジティブな考え方をする人で。私は自分に自信がなかったけれど、オーナーとの会話のなかで自信が培われてきたところがあるように思います。

木下:店長、社員さん、パートさん、それから同級生や後輩などバイト先でもいろんな関係性があり、さらにお客様との関わりがたくさんあります。働く場所によるので、選ばないといけないとは思いますが、いろんな立場の人と出会って、ともに仕事をすることはすごく社会勉強になると感じています。
僕は4月から社会人になります。就活でよく聞かれることの一つに、「学生時代に何に力を入れていたのか?」という質問があります。僕の場合は学生委員での活動に加え、アルバイトでの経験を話すことも多かったんです。バイトを続けてきたことで、後輩を指導するスキルが身についたことは、積極的にアピールできるポイントになりました。社会の入り口として学業とバランスを取りながらバイトをしてみるのはいい経験になると思います。

編集部:バイトにまつわる学業とのバランスの取り方やバイト選びのポイント、参考になりましたね。みなさんのお話にもあったように、本来は雇う側が学生に配慮しなければならないものですが、経験や知識の少なさから学生自身が過度な要求を受け入れてしまうケースも少なくありません。バイト先で想定される注意すべきポイントや相談先を紹介しておくので、少しでもおかしいと思ったら一度、相談してみましょう!(アルバイトに関する専門的な相談は下記のサイトで情報収集したり、近くの相談窓口に問い合わせてみましょう。なお、学生生活全般については学務課で対応しています。)

例えば、こんな場合は要注意!
□ 希望していない日時に仕事を入れられた。
□ 試験期間なのにシフトを減らしてもらえない。
□ ノルマを課されたり、ミスによる損失を支払わされたりした。
□ 給料を期日までに払ってくれない。残業分を払ってくれない。
□ アルバイト中のケガの治療費を払ってもらえない。
□ 労働条件通知書※を渡されなかった。
※契約期間、就業時刻、賃金、辞める際のルールなどが記載された書類で、法的に交付義務がある。

関連リンク

兵庫県立大学 アルバイトについて(https://www.u-hyogo.ac.jp/campuslife/campuslife/arbeit/index.html

以下は厚生労働省のサイトです
労働条件に関する総合情報サイト(TOP)(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/top.html
アルバイトを始める前に知っておきたいポイント(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/parttime/
確かめようアルバイトの労働条件(https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/lp/arubaito/index.html